鉄道ダイヤの正確性

福知山線の事故のあと、日本の鉄道ダイヤがきわめて厳格な正確性を要求していることに関心が集まっている。中には、国民性の違いに求める議論もあるが、そこで思い出したのが故宮脇俊三氏の指摘。

どうやら、列車時刻の正確、不正確を決定するのは列車密度であって、その国の国民性とは関係がうすいらしい。(『汽車との散歩』文庫版 p.159)

エジプトや、オーストラリアでも都市部の列車密度が高いところは、正確に列車が走っているという氏の観察によるものである。複数の線区を乗り継ぐ列車があったり、速度の異なるものが同じ線路を走るなど、日本の鉄道は、恐ろしく密度が高い構造になっていることが、事故の遠因であろう。