日露戦争 ―勝利のあとの誤算

日露戦争 ―勝利のあとの誤算      文春新書

日露戦争 ―勝利のあとの誤算 文春新書

日露戦争から100年目ということで、昨年から今年にかけて出版される本が増えている。本書は、日露戦争をメディアという切り口からとらえた点で、類書とは一線を画す内容である。特に、ポーツマス条約成立の前と後でメディアのスタンスががらりと変わる様子など、非常にうまくとらえられていて、日露戦争に関するイメージが一新される。

本筋の中に小さなネタがいくつも仕込まれており、飽きることがないのも本書の特徴である。その博覧強記ぶりの理由は、著者のブログ「古書の森日記」http://blog.livedoor.jp/hisako9618/を読めば納得できる。こちらも併せて一読を薦めたくなる。

ところで、著者、黒岩さんは塾員(慶大出身)であるが、名簿を見て学部は違えど同期の方であることを知った。