『日本を襲ったスペイン・インフルエンザ』
日本を襲ったスペイン・インフルエンザ―人類とウイルスの第一次世界戦争
- 作者: 速水融
- 出版社/メーカー: 藤原書店
- 発売日: 2006/02/25
- メディア: 単行本
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従来、資料がきわめて乏しいといわれていたスペイン・インフルエンザであるが、新聞記事を丹念に追うことにより、かなり鮮明な実像が浮かび上がってきた。いわゆる全国紙だけでなく、地方紙も渉猟することによって、地域差まで明らかになったことが特筆される。こうした分析手法は、大正期以後の近代史解明において、新たな可能性を提示するものである。
また、記述資料を統計データと結びつけることによって、資料の背後にある新しい事実が浮かびかがった点も興味深い。たとえば、前流行と後流行を連続的に見る新しい解釈は、複数の資料によって強く補強されている。
すでに新聞などでも紹介されているが、ネット上では中村宗悦氏のコメントhttp://chronicle.air-nifty.com/historical_amnesia/2006/03/_20062_cfa1_1.htmlも参照されたい。