華族

華族―近代日本貴族の虚像と実像 (中公新書)

華族―近代日本貴族の虚像と実像 (中公新書)

日本の華族制度に関しては、これまでまとまった概説書が書かれたことはなかったのだという。そもそも華族になった家がいくつあったのかという基本点な点についても諸説あるらしい。本書はこうした基礎的データの整備を行った上でその成り立ちを詳細に解説している。

概説書でありながら、ふんだんにエピソードが盛り込まれ、読み物としても面白い。また、朝鮮貴族など、あまり知られることがなかった存在にも注意を向けた点など評価されるだろう。

華族は本当に幸福だったのか、また華族は意外に多くの歴史的役割を果たしていたのではないか、などといった提起も興味深いものがある。