江戸時代の設計者

江戸時代の設計者 (講談社現代新書)

江戸時代の設計者 (講談社現代新書)

功名が辻」を毎週見ていてると「世渡り」の大切さということを思わずにはいられないが、世渡り上手といえば藤堂高虎ということになっているらしい。地元三重県では大河ドラマの主人公にという運動まであるそうだ。

豊臣恩顧の大名から国持大名として生き残ったという点でも、山内一豊と並んで有名であるが、藤堂高虎はいち早く近世という時代のプランを描き実践したという点で、信長の理想を実現した後継者であるという。

徳川方にとって豊臣方との勢力争いは、これまで考えれれていた以上に困難な道のりであり、その点で藤堂高虎の果たした役割はもっと見直されるべきであるというのが筆者の主張である。そういう点で、まさに高虎は江戸時代を設計した者なのだろう。

本書はまた、城郭、城下町の変遷についても詳しく書かれている。新書には詳しすぎるほどの説明で消化するのが大変だが、読了後はより進んだ専門書も読んでみたくなってきた。