祖国とは国語

祖国とは国語 (新潮文庫)

祖国とは国語 (新潮文庫)

22年前に留学する前、感銘を受けた本が2冊あった。1冊は小田実の『何でもみてやろう』でもう1冊が藤原正彦の『若き数学者のアメリカ』であった。後者は、留学する後輩に何度も薦め、場合によってはもう1冊買って、餞別代わりに送ったこともあった(解説の斎藤孝先生もとても薦めている)。

藤原先生の本は文庫に入る度に読んできたので、最近の『国家の品格』ブームにも驚かない。本書は昨年文庫が出た本で、一番新しい。

すでに巻頭の「国語教育絶対論」は雑誌論文で読んでいたが、再読してまたまた共感するところ大であった。巻末の「満州再訪記」もとてもよかったが、この章は必ず、藤原てい流れる星は生きている』を読んでから読むべき文章である。