若者はなぜ「会社選び」に失敗するのか

若者はなぜ「会社選び」に失敗するのか

若者はなぜ「会社選び」に失敗するのか

3月に出た本だが、ゼミ生にぜひ読ませればよかったと後悔。来年以降のゼミ生には必読書としたい本である。ここで対象となっている企業は名だたる大企業、エリート企業ばかりだが、ではその中からどの会社を選んだらよいのか、景気回復と大量採用復活でどの学生も迷う話題である。

企業が表に出している情報や、説明会で語られる内容は良いことばかりで、当てにならないという。考えてみれば当然であるが、今までそれ以外に情報はまったくといってよいほどなかった。大学の就職課(キャリアセンター)あたりは本来、それ以上の情報を持っているべきだが、そういう努力をしているところはほとんどないだろう。

こういう情報の欠落部分を見事に突いたのがこの本だ。匿名で200人以上にインタビューした内容にもとづく本書は今までにない内容が満載であり、学生の必読書といえる。本書のもう1つのメリットは、企業を選ぶ上での基準を明確に示したこと。何がよい企業かという点で、1つの絶対的基準はない。複数の基準をうまく組み合わせた判断が必要という点も重要な教訓だろう。

すでに内定し、就職先が決まっている学生にとっても役立つ本であると思う。ゼミ合宿で薦めておこう。もしかして、すでに多くの学生が読んでいるのかも知れないが。