日米同盟というリアリズム

日米同盟というリアリズム

日米同盟というリアリズム

日米関係については良書が多いが、日米同盟については日本人による本がないのが執筆の動機だという。ペリー来航以来の日米関係全体を踏まえ、その中でとりわけ戦後の日米同盟を詳細に述べた力作であり、一挙に読めた。

とりわけ、1990年代あたりからの日米同盟の裏側については直接取材の内容を踏まえて丹念に追っている。橋本元総理の交渉能力の高さなど、本書で初めて知った。

最後は安倍内閣参院選敗北までカバーしており、今日の政治状況を客観的に見る上でも役立つ。最後に安倍首相がこだわった、テロ対策特措法についても、その成り立ちから押さえておくことが重要だと思った。