A Year Without "Made in China"

A Year Without

A Year Without "Made in China": One Family's True Life Adventure in the Global Economy

せっかくアメリカにいるのだから、新刊書で話題の本を1冊読みたいと思い、見つけたのがこの本。副題には「One Family's True Life Adventure in the Global Economy」とある。

ジャーナリストのサラはふと、中国製品を買わずに1年過ごせるのだろうかと考えた。アメリカはとにかく中国製品があふれる国である。当たり前すぎて誰も気にしない事実であるが、サラは違った。2005年の1年間、とにかく中国製品を「買わず」に(ただし、贈り物は拒まない)過ごしてみようと決意した。

年が明け、サラは息子の運動靴を買いにでかけるが、すべてまわりは中国製品ばかり。やっと見つけた中国製以外の靴は、4歳の子供にはあまりに贅沢な68ドルのイタリア製の靴!こうしてサラと家族のチャレンジの日々が始まったのである。

高くてもとにかく米国製、あるいは中国製以外の外国製品があれば無理してでも買うが(中国製品ボイコットはお金がかかる!)、ものによっては中国製品が唯一の選択肢というものもある。こうなると、何とか材料を手に入れて自分で作るしかない(ボイコットは手間もかかる!)。

最後の難関は、クリスマス。子供たちはそれぞれサンタクロースへの贈り物リストを用意して待っている。子供の気持ちを傷つけずにボイコットを続けることができるのか?いよいよ、本書のクライマックスである。

北京オリンピックが始まり、サラのインタビューをテレビで何度か目にした。本書は、ある家族のユニークな挑戦の物語であるが、何より世界経済の興味深い分析の書でもある。本書が書店の「経済学」のコーナーに専門書と並んで置かれていることが、その証拠だろう。

[追記]購入したときは、日本語訳はまだ出ていなかったが、6月に翻訳が出版されたようだ。
 →チャイナフリー:中国製品なしの1年間