安藤優一郎さんの新書3冊

幕臣たちの明治維新 (講談社現代新書)

幕臣たちの明治維新 (講談社現代新書)

大名屋敷の謎 (集英社新書)

大名屋敷の謎 (集英社新書)

将軍家御典医の娘が語る江戸の面影 (平凡社新書 419)

将軍家御典医の娘が語る江戸の面影 (平凡社新書 419)

日本に帰ってきて、読みたい本がたくさんある。留守中に送っていただいた本もかなりの分量になり、机の上に積み上げて眺めるだけでも楽しい。

帰国後、まず読破したのがこの3冊。今年の3月から6月にかけて安藤優一郎さんが立て続けに出された新書でいずれも一挙に読み通した。これまで見過ごされていた新しい視点を柱にして、ユニークな武士の姿を描いている。

幕臣たちの明治維新』は幕府の瓦解後、旗本御家人はどこにいったのかというストーリー。独立した者は意外に少なく、大半の者が徳川家を慕って静岡に移住した。かつて知行を減らされ米沢に移った上杉氏の家臣も同じ道をたどり、米沢では過剰人口に苦しんだというエピソードを思い出す。

『将軍家御典医の娘が語る江戸の面影』は、桂川家のお姫様の物語。その「おきゃん」な行動は、武家の女性に対するイメージを一変させる。

『大名屋敷の謎』は、尾張藩江戸屋敷出入の豪農中村家の文書を柱に据えて、大名屋敷とそれを取り巻くビジネスを描き出す。莫大な利益を得た中村はやがて武士の身分を手に入れようとするが、なぜか尾張藩はそれを認めなかった。百姓と武士の間の身分の壁が思いのほか高かったことを示すエピソードだろう。

安藤優一郎さんのブログ
http://geocities.yahoo.co.jp/gl/yu_andoh/