下村治

下村治―「日本経済学」の実践者 (評伝・日本の経済思想)

下村治―「日本経済学」の実践者 (評伝・日本の経済思想)

「日本の経済思想」シリーズの1冊。下村治は日本の高度成長のプランを描き出したエコノミストとして知られているが、その理論の具体的中身はそれほど詳しく知られているとはいえない。本書は、当時の雑誌論文などを丹念に読み込み、下村の主張とそれに対する批判をていねいに比較した労作である。下村氏の洞察力の鋭さには驚きを覚えるとともに、高度成長期が日本経済学の論争の時代であるということをあらためて認識することができた。