遠山金四郎

遠山金四郎 (講談社現代新書)

遠山金四郎 (講談社現代新書)

テレビではおなじみの人物だが、利用可能な史料を総動員してその実像へ迫った最新刊。冒頭にはその父、遠山景晋についても詳しく紹介され、親子二代にわたる活躍ぶりが描かれる。その裁判事例については意外にもそれほど多くの史料はないようだが、当時から大岡忠相以来の名奉行との記述があり、町奉行としての裁きぶりが評判であったことは間違いないとのこと。

筆者はもう一つ、遠山親子が意外に遅咲きであったという事実を指摘しているのが面白い。本当の実力者は遅いスタートでも力を発揮するという事実には勇気をもらえそうだ。