娯楽都市・江戸の誘惑

娯楽都市・江戸の誘惑 (PHP新書)

娯楽都市・江戸の誘惑 (PHP新書)

著者の安藤優一郎氏からご恵送いただいた。安藤さんの新書はこれで10冊目だそうだ(http://geocities.yahoo.co.jp/gl/yu_andoh/view/20090715)。近年の江戸ブームにより近世史の読者層も広がりつつあるようだが、安藤さんの貢献はかなりのものだと思う。

本書は、江戸を娯楽都市という観点から見ようというもの。芝居、相撲、寄席という庶民の三代娯楽、さらに富くじ、開帳、花火といったイベント系の娯楽まで、幅広い内容が扱われている。

江戸にも大食いコンテストのような現代的催しが江戸時代にもあったことが紹介されており、面白かった。また、出版と娯楽産業の相乗効果など、今流にいうとメディアミックスということだろうか。

ところで、こうした江戸の娯楽にとって、天保期が大きな画期になっていることに気がついた。猿若町の芝居、芝居の回向院興行、寄席の会場増加、富突の禁止等など。同じような視点で、京・大坂についても考えて見なければという気になった。