歴史人口学研究―新しい近世日本像

歴史人口学研究―新しい近世日本像

歴史人口学研究―新しい近世日本像

文化勲章を受章された速水融先生の新著を頂戴する。まず、606ページにおよぶ、そのボリュームに圧倒される。速水先生の歴史人口学研究としては、『近世農村の歴史人口学的研究』(日経賞特賞、福澤賞)、『近世濃尾地方の人口・経済・社会』(日本学士院賞)が代表的であるが、本書はこの2冊に盛り込まれなかった主要論文を一書にまとめたものである。ただし、元の論文をそのまま掲載するのではなく、随所に推敲と補訂を加えた決定版となっている。

また、日本の主要な歴史人口学研究についても、随所に言及され、巻末の人名索引からその内容をたどることができる。本書のため書き下ろされた、序章、終章とあわせて読めば、歴史人口学研究の現在の到達点が明らかになるだろう。