「大学町」出現---近代都市計画の錬金術

「大学町」出現---近代都市計画の錬金術 (河出ブックス)

「大学町」出現---近代都市計画の錬金術 (河出ブックス)

日本の大学キャンパスはどのように出来上がってきたのか。初期のキャンパスは、江戸時代の藩邸などの跡地を利用したものだったが、大正時代には多くの専門学校が大学昇格を果たすため、一斉に郊外型のキャンパスが作られてゆく。その際、単に大学キャンパスだけができるのではなく、鉄道会社とその沿線の住宅開発など、さまざまな事情が絡んだ都市計画―著者によれば「錬金術」―が出現する。著者は大学史と、都市計画史の研究を縦横に用いて、その複雑な様相を解き明かしていく。

関西の大学キャンパスにも多くの頁が割かれているが、関大千里山関学上ヶ原を比較しながら読むのも面白い。