江戸っ子の意地
- 作者: 安藤優一郎
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2011/05/17
- メディア: 新書
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この本は、こうした活動の母体となった旧幕臣、なかでも「南北会」を作った南・北町奉行所に勤めていた者の動きを中心に描いたものである。
本書を読むと、旧幕臣のかなり「したたか」な生き方も見えてくる。たとえば、新政府にはすべての文書を引き継いで江戸城が明け渡されたことになっているが、筆者は「旧幕府引継書」には幕末のものが異様に少なく、おそらく意図的な廃棄が行われたのではないかと見る(p.37)。また、静岡藩士となった幕臣が、新政府へつぎつぎと引きぬかれてゆくエピソードも面白い。中には新政府への出仕を強く渋る向きもあったようであり、「江戸っ子の意地」が貫かれていたのだろう。
研究室。10時-18時半。