歴史を動かした徳川十五代の妻たち

歴史を動かした徳川十五代の妻たち (青春文庫)

歴史を動かした徳川十五代の妻たち (青春文庫)

安藤優一郎さんの最新刊を頂戴した。今回は、徳川将軍の正室、側室を網羅的に取り上げた興味深い本で、学ぶところが多かった。

最近、大河ドラマ篤姫や江がとりあげられ、将軍の妻にも少し光があたってきた。しかし、篤姫も江も番組に取り上げられる前まではそれほど有名だったとはいえない。

唯一、名前を知られているのは、篤姫の次の十四代将軍の正室和宮だろう。和宮公武合体のシンボルとして江戸に輿入れしたことで歴史に名前を残す。

本書は、それ以外の妻、側室も含めれば膨大な数の将軍の妻を、かなり丁寧に紹介した類書のない作品である。

一読して驚くのは、正室から将軍後継が出る確率は非常に低いこと。なるほど側室がいなければならないことがよくわかる。また、たとえ側室がいても、後継がまったくいないケースも少なくない。人口学的に将軍を観察するのも面白い。