トッドの壮大な議論に圧倒される

来日中のフランスの歴史人口学者、エマニュエル・トッドの講演が京都大学であると知って、聞きに行ってきた。テーマは「Traditional family systems and recent demographic differences in Eurasia; is there such a thing as modernity?(ユーラシアにおける伝統家族システムと昨今の人口学的多様性 ――「近代」というものはあるのか?――)」というものだったが、非常に壮大な議論で圧倒された。

http://fujiwara-shoten.co.jp/main/news/archives/2011/08/post_108.php#kyoto

われわれは、核家族化ということを近代的現象としてとらえているが、トッドによれば、もしろ家族のあり方は、核家族から共同体家族(合同家族)へと変化したのであり、ヨーロッパや日本、東南アジアは、その変化から取り残された辺境なのだという。この見解は、700ページにも及ぶ新著(仏語)で展開されているそうなので、翻訳が出たら、ぜひ読んでみたい。