世代間格差
- 作者: 加藤久和
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2011/11/07
- メディア: 新書
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本書は、こうした問題を「世代間会計」という新しい考え方を用いつつ、きちんと数量的に明らかにするとともに、経済学的に持続可能なシステムの構築を提言している。将来への不安が増しつつある今、広く読まれるべき一書だろう。
たとえば、今年の政局でも大きな争点となった「子ども手当」に関しても詳細な分析を行ないつつ、今後は「直接的に出生促進を目的に掲げることも検討すべきである」というような提言を行っている。具体的には「フランスのような子どもにかかる手当についての対象を第二子以降に定め、かつ第三子以降は増額するという傾斜配分を行う」とする。
ちなみに、この給付方式は江戸時代版子ども手当ともいうべき「赤子養育仕法」とまったく同じ考え方である。先人の知恵の重みということについても考えさせられる提言といえそうだ。