海老蔵襲名披露顔見世興行

大人気の「十一代目市川海老蔵襲名披露東西合同大歌舞伎」http://www.shochiku.co.jp/play/minamiza/0412.html夜の部を南座で観てきた。豪華な顔ぶれの演目を味わい、すっかり歌舞伎に魅了された。

実は、K女子高の教え子が浄瑠璃語りで出演しており、ご招待いただいたのである。なかなか手に入らないチケットのようで(なんと、一等席)、本当に幸運な機会を頂戴した。

南座の歌舞伎夜の部はだいたい4時半から9時まで4時間半がふつうのようだが、今日は特別に4時開演で9時半まで5時間半の長丁場だった。襲名披露があり、また「助六」という長い演目のためらしい。しかし、開演時間までにはほぼ満席となり、席を途中で立つ人もいない。さすが、十一代目襲名披露である。最後まで客席全員が舞台にくぎづけという感じだった。

団十郎も病気から復帰し海老蔵と共演したが、実に元気そうで、ひときわ声援が大きかった。この他、仁左衛門菊五郎、雁治郎、秀太郎など人気どころが勢ぞろいした口上もまさに圧巻。若手俳優の演技もなかなかよい。菊之助松緑亀治郎など大したものだ。女形の孝太郎は『白い巨塔』の医局長とはまったくの別人で(当たり前か)びっくり。

江戸時代の研究者としては恥ずかしいことに、歌舞伎にはまったくの素人なので「イアフォン・ガイド」を借りた。これがまたよかった。演技の意味や、せりふの内容について詳しい解説を聞きながら観ることができ、より面白くなった(650円は安いくらい)。

歌舞伎は古いとか、難しいとかいう先入観があったが、すっかりイメージが変わった。機会があればぜひまた、見に行きたいという思いで南座を後にした。