人口学会2日目

朝5時半起床。6時半に家を出て神戸に向かう。六甲駅には乗換がスムーズだったので8時には着いてしまい、早すぎるので神戸大学まで上り坂を歩いた(所要18分)。

午前中は「歴史人口学」関係のセッションがあり報告6本が並んだ。全国レベルで歴史人口学の研究が集まるのはここだけなので、いつもの顔ぶれが揃いアットホームな雰囲気となる。後ろの席には大学院生や他分野の人も座っているので、宣伝には絶好の機会である。

午後はそのセッションの流れで十数名がつれだって近くのレストランへ行く。歓談後、予定していた科研プロジェクトの打ち合わせ会を開いたりして、なかなか密度の濃い一日であった。

ところで、人口学会は小規模とはいえ同時並行で多くのセッションが並ぶので、面白い報告をいくつも聞き逃すのは残念である。要旨集から個人的に関心を持ったもの(結婚に偏るが)をあげると、

  1. 日本の離婚率は急増している。これからは、結婚の約3分の1が20年以内に離婚に終わるという推計ができるという。この水準は、西欧の水準にほぼ等しいレベルになる。(レイモなど報告)
  1. 未婚者初婚率の低下がなぜ起こるか要因分解すると、見合い結婚の減少と、職縁結婚(職場結婚)の減少によってほぼ説明できる。また、それ以外のきっかけは過去40年間ほとんど変わらない。ただし、友人、きょうだいを仲介とする、よりインフォーマルは仲介型結婚は、近年やや上昇傾向にあるという。(三田など報告)
  1. 女性の同棲経験率は15%程度。また若い世代では2割を超える。学歴別には中卒と大卒で高い。経験に対する自己評価は前者で低く、後者は逆に高いという。(岩澤など報告)

また、理論研究では、Bongaats and Feeneyの研究が批判も含め、随所で取り上げられており、かつての指導教授(Feeney)の名前を聞けたのも嬉しかった。