ドラゴン桜

ドラゴン桜(1) (モーニング KC)

ドラゴン桜(1) (モーニング KC)

受験生の間で大評判といううわさを聞き、第1巻を買ってみた。倒産寸前の高校に乗り込み、いきなり東大合格者を出して学校を再建するという荒唐無稽なストーリなのだが、なぜか愉快に読める本(漫画)だ。

この本は、現代版の『学問のすすめ』なのかも知れない。人間本来平等であるべきなのに、現実には雲泥の差があるのはなぜか。学問があるとなしとの差なのだと福澤諭吉は説いた。漫画の主人公、桜木弁護士の主張も、基本的には同じである。福澤は、その実現方法として実学を強調するが、桜木は東大合格がもっとも確実な方法であると説く。学問が大事だというだけではなく、その具体的方法を開陳し、その気にさせてしまうところが両方ともうまい。

実際、私立受験校には灘高を筆頭に、東大合格を目標として知名度を上げてきた学校が少なからずある。まずは東大合格者を1名という話は、高校現場では常識の部類に入るかと思われる。

テレビでは、このストーリーがエスカレートしていきなり東大5名合格が目標らしいが、なかなか高視聴率のようである。しばらくは世間で話題の本になることは間違いないだろう。