ディベート形式か自由論題か

(柿柳先生からの質問の続き)http://www.doblog.com/weblog/myblog/11517/1959512#1959512


ディベート形式の対抗戦と、自由論題の発表合戦では、どちらが効果的なインカレか。


ディベートは同じ論題に対して、賛否のどちらかの立場を巡って2つの大学が競い合う。当日、その場の抽選で、賛否どちらかを割り当てられることもある。自由論題では、各大学が別々の発表をして、何らかの基準で採点される。

こちらこそ、ご質問に感謝。アクセスも増え、ディベートリーグの宣伝にもなるので。以下はこれまた、まったくの私見

過去10年間にディベート大会に3回(インナーゼミ2回、経済史ディベートリーグ1回)、自由論題に2回(インターゼミ2回)参加した。今年はちょっと欲張って、ディベート(3年生)のほかに自由論題(4年生)も計画が進行中。

それぞれ一長一短で、どちらが効果的かということはいいにくい。以下、メリット・デメリットを考えてみる。

ディベート形式

  1. 何といっても勝敗がはっきりするので、学生が燃える。経済史ディベートリーグでは、表彰式で(勝っても負けても)涙を流す学生もいて、こちらまで感激した(「経済史」で泣けるなんてすばらしい!)。
  2. 議論をするという経験が何よりの収穫。ディベート力は、こうした実戦形式で鍛えるのが一番。就職活動には大きな自信となろう。
  3. 反面、オリジナルなものを作ることは難しい。ネット上から借りてきた議論をまとめるだけという結果にも陥りがち。

自由論題

  1. 長期にわたって、ひとつのテーマを追いかける面白さがある。地道にデータを集めるといった苦労が味わえる。教員側から見れば、指導がしやすいかも知れない。
  2. 一方、自由論題のインゼミでは勝敗をつけないことが多い。参加者が多く、教員の人手が足りないとコメントももらえない。そのため、やや消化不良なまま終わる可能性がある。
  3. また、インゼミではテーマによって相手校が見つけにくいことがある。たとえば、「経済史」など参加校が少なく、不成立のケースが多いようだ。

ところで、こうした催しに学生をひっぱるには、入ゼミ段階から学生に納得させておくことが非常に重要。突然、インターに参加しろとか、ディベートへ出ろといったら、学生が困惑するのは当然だろう。「オープンゼミ」を開催し、上級生が楽しそうにディベートをする姿を見せることが何より大事(よい後輩を迎えるためには、君たちの「笑顔」が必要だよ、とでもいっておくとか)。

追記:nm先生コメントhttp://chronicle.air-nifty.com/historical_amnesia/2005/10/post_6dd9.html