近世後期の領主支配と地域社会―「百姓成立」と中間層
- 作者: 山崎善弘
- 出版社/メーカー: 清文堂出版
- 発売日: 2007/11/20
- メディア: 単行本
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山崎氏はこの研究に携わるもっとも若い世代の研究者であり、博士論文としてまとめられたのが本書である。
対象とされた地域は大和・和泉・播磨の清水家領地であり、とりわけ「取締役」を務めた三枝家の膨大な史料の分析はすぐれて実証的であって、学界への貢献が極めて大きいことは間違いない。
ところで、御三卿を務めた清水家の分析という点もユニークである。幕府は御三家のほか、清水・田安・一橋の御三卿があったことは広く知られているが、その支配形態がどうなっていたのか、本書を読んではじめて明確なイメージを持つことができた。