戊辰雪冤―米沢藩士・宮島誠一郎の「明治」

戊辰雪冤─米沢藩士・宮島誠一郎の「明治」 (講談社現代新書)

戊辰雪冤─米沢藩士・宮島誠一郎の「明治」 (講談社現代新書)

明治維新以後の歴史は薩長を中心とした勝者の立場から書かれることが多く、敗者の立場から書かれるものは少なかった。幕臣の立場から最近、安藤優一郎さんが書かれているが、本書は米沢藩の一藩士から見た幕末維新史である。

主人公宮島は維新後、宮内省に勤め、官僚となるが、一方では米沢の旧藩主の名誉回復、さらには徳川慶喜の名誉回復にまだ邁進した。旧藩主の位階昇進運動を見ると、まだ徳川時代は続いているのではないかという印象さえ受けてしまう。