近世初期の検地と農民

近世初期の検地と農民

近世初期の検地と農民

文化勲章を受章された速水先生の新著である。もともと約50年前に書かれた論文*1をまとめたものであるが、その後の学問的進歩にあわせて全面的に改稿したと書かれている。いくつかの論文は学生時代に読んでいるが、改稿のあとをたどりながら再読したいと思う。

ところで、太閤検地論争と歴史人口学とはまったく別の関心から出発していると思っていたが、実は「当時の領主は土地ばかりでなく、家・人数の調査も行っていたことの『発見』」(p.4)がその橋渡しになっていたという点が面白かった。1つの発見がより大きな学問的テーマの発見につながった好例といえるだろう。

*1:先生は太閤検地に関するこれらの論文で学位を取得された